室内環境に関する Q&A
一般の方や関連企業の方などが室内環境に関して抱いているさまざまな疑問に答えることを目的として室内環境Q&Aを作成しましたので、 暫定第1版として公開いたします。いろいろな方にこのQ&Aをご活用いただければと思っております。
 今回のQ&Aでは、室内環境に関してこれまでいろいろな形で、またいろいろな分野に関して質問を受けた項目などを取り上げることにしました。回答は室内環境学会員に書いてもらっておりますが、現状の会員の専門性を考慮にいれると必ずしも網羅できる状況にはなく、とりあえずできるところから開始しております。今後、室内環境学会の活動がさらに広がっていけば、より多くの質問に答えられるようになるものと考えております。「暫定第1版」が表しているように、今回の公開で終わりというわけではなく今後増やしていくとともに、内容の充実も諮りたいと考えております。
 回答ですが、一つの質問に対して複数の室内環境学会員が回答を作成しました。しかし、室内環境に関わる問題は必ずしも正解が一つに定められるものではありません。また今日までに十分には解明できておらず、意見等が異なる課題もあると考えています。Q&Aは社会連携委員会が編集した後に公表しておりますが、まだまだ検討すべき点も残されているかとは思っております。様々なご意見を伺いながら、随時修正を加えていきたいとも考えております。
理想とする室内環境とはどのようなもの..........
理想とする室内環境とはどのようなものでしょうか?
室内空気の判断基準として、従来から日本薬学会編衛生試験法に普通室内空気試験成績判定基準が用いられており、その他にも建築物衛生法、学校保健安全法によるものなどがあります。
二酸化炭素量が1000-1500ppm以下、落下細菌が一部屋10コロニー以下、浮遊粉じんが0.15mg/m3以下といった衛生基準が設けられており、その他にも気温、気湿(湿度)、気動(空気の流れ)、実際に感じる温度である感覚温度について衛生基準が設けられています。
また、騒音レベルは通常65デシベル(目安:普通の会話、低速走行時の車内)以下が望ましく、室内の明るさは時間帯や目的に応じて、300ルクス(目安:日出入時の屋外)〜1000ルクス(目安:パチンコ店の店内)が必要になるといわれています。
家庭内生活空間と職場環境とでは、それぞれ理想とする環境条件が異なり、それぞれに適う条件を満たす事が必要です。法的に定められた化学・物理的環境基準を満たしているとしても人毎に感受性が異なるため、個々の生体反応の変化に合わせた対応が必要になります。また、理想とする室内を構築するには、健康影響をもたらすと考えられる化学・物理・生物因子の排除の他、空気の流れ、揺らぎ、植物等の設置などを取り入れ、心の安らぎを得る工夫することも重量な要素となります。

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