室内環境に関する Q&A
一般の方や関連企業の方などが室内環境に関して抱いているさまざまな疑問に答えることを目的として室内環境Q&Aを作成しましたので、 暫定第1版として公開いたします。いろいろな方にこのQ&Aをご活用いただければと思っております。
 今回のQ&Aでは、室内環境に関してこれまでいろいろな形で、またいろいろな分野に関して質問を受けた項目などを取り上げることにしました。回答は室内環境学会員に書いてもらっておりますが、現状の会員の専門性を考慮にいれると必ずしも網羅できる状況にはなく、とりあえずできるところから開始しております。今後、室内環境学会の活動がさらに広がっていけば、より多くの質問に答えられるようになるものと考えております。「暫定第1版」が表しているように、今回の公開で終わりというわけではなく今後増やしていくとともに、内容の充実も諮りたいと考えております。
 回答ですが、一つの質問に対して複数の室内環境学会員が回答を作成しました。しかし、室内環境に関わる問題は必ずしも正解が一つに定められるものではありません。また今日までに十分には解明できておらず、意見等が異なる課題もあると考えています。Q&Aは社会連携委員会が編集した後に公表しておりますが、まだまだ検討すべき点も残されているかとは思っております。様々なご意見を伺いながら、随時修正を加えていきたいとも考えております。
室内濃度指針値は、どんなところで..........
室内濃度指針値は、どんなところでどのように使われていますか?
室内濃度指針値は、生活に必須な特殊発生源がない限り、あらゆる室内空間に適用されます。厚生労働省によると、適用範囲は、住居(戸建て、集合住宅)、オフィスビル(事務所、販売店など)、病院・医療機関、学校・教育機関、幼稚園・保育園、養護施設、高齢者ケア施設、宿泊・保養施設、体育施設、図書館、飲食店、劇場、映画館、公衆浴場、役所、地下街、車両、その他となっています。
室内濃度指針値の設定による波及効果は大きく、学校保健安全法、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法)の一部に指針値が採用され、それぞれの法的立場から健康保護及び室内汚染防止対策に貢献しています。
具体例として、 学校保健安全法では、児童生徒の健康保護の観点から学校環境衛生基準の中に指針値物質(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン)が新たに加えられ、教室内等において継続的なモニタリングを行い、当該建物内の化学物質濃度を基準値以下にすべく維持管理を実施しています。また、品確法では、住宅性能表示制度の一環として、住宅完成時に住宅内空気中の化学物質の実測を行い表示する制度があります。住宅取得者が化学物質濃度の表示を希望した場合、 ホルムアルデヒドは必ず実測(他の物質は選択になる)することになります。この際の完了検査基準として指針値が用いられています。

CGI-design