室内環境に関する Q&A
一般の方や関連企業の方などが室内環境に関して抱いているさまざまな疑問に答えることを目的として室内環境Q&Aを作成しましたので、 暫定第1版として公開いたします。いろいろな方にこのQ&Aをご活用いただければと思っております。
 今回のQ&Aでは、室内環境に関してこれまでいろいろな形で、またいろいろな分野に関して質問を受けた項目などを取り上げることにしました。回答は室内環境学会員に書いてもらっておりますが、現状の会員の専門性を考慮にいれると必ずしも網羅できる状況にはなく、とりあえずできるところから開始しております。今後、室内環境学会の活動がさらに広がっていけば、より多くの質問に答えられるようになるものと考えております。「暫定第1版」が表しているように、今回の公開で終わりというわけではなく今後増やしていくとともに、内容の充実も諮りたいと考えております。
 回答ですが、一つの質問に対して複数の室内環境学会員が回答を作成しました。しかし、室内環境に関わる問題は必ずしも正解が一つに定められるものではありません。また今日までに十分には解明できておらず、意見等が異なる課題もあると考えています。Q&Aは社会連携委員会が編集した後に公表しておりますが、まだまだ検討すべき点も残されているかとは思っております。様々なご意見を伺いながら、随時修正を加えていきたいとも考えております。
有害物質が含まれない室内.........
有害物質が含まれない室内なんて実現するんですか?
一般的な居住空間において、継続的に有害物質を完全に除去して生活していくことは、極めて困難であるといえます。しかし、危険性をより低くした部屋を実現することは可能でしょう。特別な例として、手術室やクリーンルームなどの施設は、基本的に「無菌状態」に保たれています。居住空間では、家具、壁、天井、塗装、食器、電気器具、カーテン、パソコン、化粧品類、漂白剤、雑誌類、殺虫剤、トイレ防臭剤、じゅうたん、畳、衣類防虫剤など、身の回りすべての物が化学物質に関係しています。また、大気中には様々な有害物質が存在していますから、仮に有害物質を含まない建材で作られた空間に、有害物質を放散しない家具や設備を置いたとしても、外気が入り込むことや、人の出入りによって有害物質が持ち込まれますし、人の生活活動からも化学物質が発生してしまいます。人工的な化学物質は体に悪く、自然由来の化学物質は体に良いという考えに従い、人工的な揮発性有機化合物の使用を極力控え、自然素材のみを使用した住宅があります。しかし、自然素材から発生する物質でも、高濃度であれば健康に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

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