大会長挨拶
平成28年室内環境学会学術大会大会長
篠原 直秀(産業技術総合研究所 安全科学研究部門 主任研究員)
平成28年室内環境学会学術大会は、2016年12月15日(木)、16日(金)の両日、産業技術総合研究所つくば中央(共用講堂)において開催いたします。
つくば市は、皆さんもご存じのように、研究学園都市として整備された街であり、300を超える国や民間の研究所があり、2万人以上の研究者が働いております。
この街で室内環境学会学術大会を開催するに当たり、「室内環境の研究とはどうあるべきか?」、「今後の室内環境の研究はどこに進んでいくのか?」という点について、改めて考えることにし、大会のテーマを『室内環境の現在から未来へ ~多様性とその広がり~』としました。
1990年代後半のシックハウス問題を契機に設立された室内環境学会ですが、ホルムアルデヒドやトルエンなどの化学物質への対策が進み、当初社会問題となったような課題は少なくなりました。
しかしながら、これら化学物質以外にも健康に影響を与えうる物質は多く、カビやダニなどの室内微生物の問題もあり、空気質への影響がなくなったとは言えない現状です。
更に、東日本大震災以降、問題が再度クローズアップされた温熱環境、照明、騒音・振動など、空気質以外にも様々な問題が室内環境には存在しています。
これらに対してどう取り組んでいくのか、研究者に求められていることは何なのかを念頭に置きつつ、研究発表と議論を深めていただければ幸いです。
皆様の多数の発表と参加をお待ちしております。
また、今大会では、日本・韓国・台湾の3か国の室内環境学会による共催の国際シンポジウムも開催されます。
様々な分野における室内環境への研究取組と未来への展開などを軸にして、国内外の有識者による講演とディスカッションを予定しております。
こちらも、多くの皆様にご参加いただければと考えております。