室内環境に関する Q&A
一般の方や関連企業の方などが室内環境に関して抱いているさまざまな疑問に答えることを目的として室内環境Q&Aを作成しましたので、 暫定第1版として公開いたします。いろいろな方にこのQ&Aをご活用いただければと思っております。
 今回のQ&Aでは、室内環境に関してこれまでいろいろな形で、またいろいろな分野に関して質問を受けた項目などを取り上げることにしました。回答は室内環境学会員に書いてもらっておりますが、現状の会員の専門性を考慮にいれると必ずしも網羅できる状況にはなく、とりあえずできるところから開始しております。今後、室内環境学会の活動がさらに広がっていけば、より多くの質問に答えられるようになるものと考えております。「暫定第1版」が表しているように、今回の公開で終わりというわけではなく今後増やしていくとともに、内容の充実も諮りたいと考えております。
 回答ですが、一つの質問に対して複数の室内環境学会員が回答を作成しました。しかし、室内環境に関わる問題は必ずしも正解が一つに定められるものではありません。また今日までに十分には解明できておらず、意見等が異なる課題もあると考えています。Q&Aは社会連携委員会が編集した後に公表しておりますが、まだまだ検討すべき点も残されているかとは思っております。様々なご意見を伺いながら、随時修正を加えていきたいとも考えております。
隣に住んでいる人がベランダでタバコを吸うと..........
隣に住んでいる人がベランダでタバコを吸うと、私の部屋にタバコの煙が入ってくるんですが、防ぐ方法はありますか?
隣家からのタバコの煙を完全に防ぐことはなかなか難しいと思われます。しかし、自室に侵入する煙を減らすことは可能です。まず、タバコがにおう時には煙が入ってくる方の窓を閉め、別方向の窓、あるいは玄関を開け、台所の換気扇を動かすなどして、タバコくさくない空気を部屋に入れましょう。あるいは隣のベランダとあなたの部屋の間に障害物を置いて、空気の流れの向きを変えることも考えられます。しかし、タバコがにおうたびに窓を閉めたり換気扇を動かしたりを繰り返すのは、毎日生活をする上でかなり面倒な作業となります。隣の住人とコミュニケーションをうまく取って、タバコを吸う場所を変えてもらうなどの気配りをしてもらうように働きかけることも一案ではないでしょうか。

部屋の汚染状態が知りたいのですが..........
部屋の汚染状態が知りたいのですが、どこに頼めば測ってもらえますか?また、いくらぐらいしますか?
室内の汚染物質は、ペットなどの動物、昆虫やダニ、花粉などアレルギーの原因物質や細菌・カビなどの生物粒子、粉じんやアスベストなどの非生物粒子、ホルムアルデヒド、揮発性有機化合物(VOCs)や悪臭物質などの化学物質、二酸化炭素や一酸化炭素などのガス状物質など、種類は多数あります。しかし、目的とする汚染物質により測定方法が異なるため、これら全てを測定できる専門業者は限られており、測定項目によって異なる業者に依頼する必要があります。
測定費用は、依頼する業者や測定項目によって異なりますが、通常1検体数千円から数万円程度かかります(他に、測定者の人件費や交通費も加算されます)。測定前に見積書を依頼して、費用を確認して下さい。また、多くの測定を依頼すると高額な費用となりますので、何を測定するかの優先順位を決める必要があります。参考として、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターで紹介されている分析機関の情報を示します。http://www.chord.or.jp/kikan/sick_house.html
あるいは、お近くの保健所、市区町村の保健センターなどにお問い合わせください。

いいにおいなのに身体に悪い物質って..........
いいにおいなのに身体に悪い物質ってありますか?
いいにおいであっても、身体に悪影響を及ぼす場合もあります。香りは、鼻で受けた刺激が直接脳に伝わり、神経などに強く作用します。においというのは精神的にリラックスさせる効能と同時に、身体的にはマイナスの影響があることも考えられます。例えば、化粧品に含まれる香料は、アレルギーなどの原因になったり、皮膚障害の原因となったりすることがあります。さらに、いいにおいとされる物質でも、その程度によっては不快感・苦痛を感じる人もいるので注意が必要です。また、香料などはアレルギー体質の人や、化学物質過敏症の方に対しアレルギー症状や喘息などを誘発することもあり、配慮が必要です。ガソリンや塗料、油性マジックの臭いを好む人もいますが、これらの製品には共通して有機溶剤(トルエンやアセトンなど)が使用されており、長期吸入によってアレルギーや化学物質過敏症を発症してしまう危険性があります。一般に好まれる天然精油(アロマオイル)などの天然香料でさえも、人によっては有害な(体調が悪くなる)場合があります。

カーテンはどれくらいの頻度で洗濯した方が..........
カーテンはどれくらいの頻度で洗濯した方がいいんですか?
窓に設置されるカーテンには、外から吹き込んでくる埃、花粉、カビの胞子などが付着しており、さらにはダニも潜んでいます。これらのアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)は風に吹かれることによってカーテンから舞い上がり、居住者が吸引することによってアレルギー反応を引き起こします。カーテンに蓄積したアレルゲンを除去するために、半年に一度は洗濯することが望ましいです。
北側など日光が当たりにくい窓のカーテンは特にカビが生えやすいので注意しましょう。また、結露しやすい窓のカーテンも要注意です。高湿度の状態が長時間続くとカビが生えやすくなります。

布団はどれくらいの頻度で洗濯した方..........
布団はどれくらいの頻度で洗濯した方がいいんですか?
毎晩、何時間もの時間を過ごす布団は表面にフケ・皮脂が付着し、中綿には汗が染み込んで湿った状態となります。このような状況はダニ・カビが非常に好む環境で、布団は生物アレルゲンの温床となっています。こうしたアレルゲンを軽減するために、布団の天日干しを行いますが、効果には限界があり、ダニの死骸やカビ胞子などは徐々に蓄積されていきます。2、3ヶ月に一度は洗濯をするようにして、蓄積したアレルゲンを除去しましょう。布団を洗濯する際は、洗える布団かどうかの確認を忘れずに。また、布団カバーや枕カバーは直接肌に触れる寝具なので、最低でも週に一度は交換して洗濯しましょう。

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