室内環境学会第16代理事長に選任され、就任のご挨拶をさせていただきます。
1990年代に室内環境中の化学物質や微生物などに起因する健康影響の問題が大きく取り上げられるようになり、1994年に本学会の前身となる室内環境研究会が発足してから間もなく30年を迎えようとしております。この間、室内環境に関わる多くの科学的知見や技術が創出され、室内環境における問題解決に貢献してきました。本学会の会員の皆さんをはじめ、多くの他分野の方々との共同研究や技術開発によるものだと思っております。
しかしながら、化学物質や微生物による室内環境汚染には引き続きいくつもの課題が残っており、本学会の会員の皆さまによって、さらなる研究が進められています。また近年、世界的大流行をもたらした新型コロナウイルス感染症は、その大半が室内環境で生じていることから、室内環境における二次感染の動態解明や感染予防に関する科学的知見や技術の創出が強く求められています。
こうした状況において、本学会は学術的および社会的にも重要な役割を担っており、会員の皆さまとともに、さらなる活動を行っていきたいと考えております。また、学会が継続して活発な活動を行うには、若手研究者を中心とした人材育成が不可欠です。本学会では、学術大会の発表において、大学のみならず、高等学校の学生さんが研究発表をされるなど、本学会の将来を担う若手研究者の素晴らしい活躍がみられます。このような人材の育成を強化し、さらに活動が活性化するような取り組みも必要です。そして、学術的な面からは、立場を超えて自由な発言や討論ができる風通しの良い雰囲気作りが必要です。
これらのことを踏まえて、今期の役員及び事務局体制を構築し、さらに今期は組織改革を進め、1)若手研究者を中心とした人材育成の強化と活動の活性化、2)室内環境研究の促進、3)関連学会等との連携や協働の強化、4)政策や社会への提言の促進、の4つの柱を中心に活動を進めてまいります。
会員の皆さまにおかれましては、本学会のさらなる発展のため、学会活動へのご参加、ご支援、ご助言などにつきまして、お力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
令和4(2022)年12月吉日
一般社団法人室内環境学会理事長
東 賢一
日時:令和5年3月10日(金) 14時40分~17時(予定)
会場:九州大学応用力学研究所(大会議室)
福岡県春日市春日公園6丁目1番地
参加方法:発表、参加ともに令和4年12月23日(金)までにメールにてお知らせください。
参加費:無料
詳細はこちら
【室内環境 第25巻第3号(2022年12月)】
目 次:
・原著論文
・調査資料
・特集 燃焼排ガスによる室内空気汚染とその対策
・薫風(会員の声)
・推薦図書(書評)
・研究室紹介
・用語解説
・会 報
New!【室内環境における微生物対策】
室内環境学会 微生物分科会 [編]
B5 170頁 定価3456円(税込)
2016年3月 技報堂出版
カビやウイルスなどの人間生活と関わりの深い微生物について,微生物の生態,検出・測定法,発育環境,人間に与える影響,建築施設ごとの微生物汚染の実態と対策等の情報をまとめ,やさしく解説した書。学生や若い技術者に知っておいて欲しい基礎知識を届ける。
※微生物分科会メンバー特別販売
購入割引あります。微生物分科会代表 川上 裕司 kawakami(at)fcg-r.co.jp((at) は@に置き換えて下さい)までお問合せください。
【住まいの化学物質
リスクとベネフィット】
一般社団法人室内環境学会 [編]
関根嘉香 [監修]
A5判 248頁 定価3348円(税込)
2015年11月10日刊
東京電機大学出版局
人の暮らしにおいて、「建てる」、「暮らす」、「生きる」、「備える」に関わる化学物質が引き起こす室内環境問題について、幅広く解説。化学物質の利便性とリスクを理解し、上手な付き合い方を考える。
※会員特別販売
2016年2月末まで購入割引あります(詳細は学会誌18巻2号参照)
【室内環境学概論】
A5版 258頁 定価 3255円(税込)
2010年11月30日刊
東京電機大学出版局
学会員を中心とした執筆陣により刊行。室内環境学全般を網羅していますので、学部の教科書や技術者の入門書として最適です。
【国際連携機関】